横濱中華街光臨指南
◆　牡丹園　◆

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☆★☆　旬の上海蟹を楽しむ　☆★☆

秋になったら、上海蟹を楽しむ。
昨シーズン、牡丹園で上海蟹三昧の宴会をお願いしたところ、大変に素晴らしい内容で、仲間内では傳説になった。
それから、指折り数えて一年間、本当に楽しみに待っていたのである。

普段でさえ人気店の牡丹園であるが、上海蟹のシーズンは特に予約が難しくなる。
今回はなんと一ヶ月も前から予約しての宴会。余計に期待は高まるというものだ。

☆★☆ データ ☆★☆

• 場 所：牡丹園
  
• 日 時：２００２年１０月２７日（日）午後２時００分〜
  
• 参加人数：１０名
  
• 予 算：ご覧のとおりのけっこうなお値段。
• 予　　約：あり
• リクエスト：
  • 蒸した以外の上海蟹料理
  • 鷄と栗を使った料理
  • 蠣を使った料理 　　　　
  • 化学調味料の使用は控えること
• ※私がここで宴会をすると、言わなくても香港風の味付けになるようです。

☆★☆ 料理 ☆★☆

1.廣東式魚鮮	2.大閘蟹	3.猛生蠣	4.清燉水魚

• 廣東式魚鮮（中華風刺身）
  牡丹園ではお馴染みの前菜の鯛の刺身です。とっても美味しいのですが、天然ものだったらもっと美味しいのにといつも思います。
  日頃から、そんなことを言っているものですから、今回はとうとう天然ものの大きな鯛を仕入れてくださいました。
  もちろん、大変に美味しいです。満足です。
  
  
• 好多大閘蟹
  恒例の、これから調理される上海蟹のお披露目。分厚く、重量感があって、活きがいい。素人目にみて上物であることが判る。
  画像をちょっとみてみると、ラベルが貼ってあるのがわかるだろうか？これは、陽澄湖産の証でもある。
  ラベルの裏にはナンバリングまで！
  
  
• 猛生蠣
  生蠣です。香菜など中華風なスパイスを利かせたもの。
  もっと濃厚な蠣の味を期待していましたが、いまひとつという印象。仲間に聞くと「こういうものだよ」といわれてしまいました。
  要するに、普段、私が生蠣ではなく、廣東風の牡蠣の水分を抜いて味が濃厚になった天ぷらや福建料理店のスープなど、
  「味に手を加えた蠣」しか知らなかったというだけのことです。
  
  
• 清燉水魚
  スッポンの蒸しスープ。 椎茸、棗、杞子などとともにじっくりと醸し出されたスープは、なんとも例えようがない素晴らしい香りとともに登場。
  深いとコク旨味、高貴ですらある。うまい。
  
  ところで、正直なところ、牡丹園で普通にでてくるスープをあまり美味しいとは私は思っていない。
  しかし、手間はかかるが蒸しスープにしてもらうと、とても旨いものを出すということが前回の宴会で確認できました。
  今回は、秋の到来を待って、スッポンでの蒸しスープ。期待通りのおいしさたっだ。
  これからも、季節ごとに旬の食材の蒸しスープを楽しみたいものだ。
  
  

5.茶巾	6.[火局]大閘蟹	7.鴛鴦蟹粉	8.發財好市

• ５．茶巾
  上海蟹、鮑の賽の目切りを薄焼き玉子で茶巾にして、スープに沈めたものが登場しました。
  鮑の旨味、上海蟹の風味がよくでていて、美味しかった。牡丹園らしい、見た目も美しい一品。
  
  
• ６．[火局]大閘蟹
  上海蟹のグラタン。ううむ、企画倒れのチープな味。デパ地下で売っていそうな一品。店主に意見しておきました。
  
  
• ７．鴛鴦蟹粉時菜
  金針菜に上海蟹の蟹味噌二種のあんかけ。
  太極のデザインをあしらった火鍋を器代わりにして、二種の蟹味噌が登場した。大歓声があがる。
  オレンジのそれにはフカヒレも混ざっている。蟹皇魚翅を金針菜にかけているという状態。
  ハッキリ言って、とんでもなくお金と手間のかかった一品です。これもまた美味しかった。
  
  
• ８．發財好市豬脚
  なんと旧正月の縁起もの料理が登場してきました。髪菜・干蠣・豚足の煮込みです。
  香港西營盤を思い起こさせる、乾燥食材のふくよかな香り、嫌いなひとにはダメかな。
  美味しい、とっても美味しい。豚足もまたうまくてナイスだし、コラーゲン効果の期待できる！
  ところで、『豚足が食べたいなあ』と思っていただけに、登場してきたときは、ちょっと驚きました。心まで読まれているのか？
  
  

9.蟹飯	10.八寶鷄	11.清蒸大閘蟹	12.魚頭麪線	13.糖水

• ９．蟹飯
  上海蟹の炊き込みご飯。上海蟹で蟹飯つくったらおいしいかなあ？と誰もが思うだろうが、本当にやってくれるとは思わなかった。
  贅沢の極み。とても薄味なんだけど、食べているうちに段々旨味が増してくる。不思議なことに、冷めても美味しかった。
  
  
• １０．八寶鷄
  米料理第２弾。大食いなのがバレバレですね。上海料理の名菜・八寶鷄の登場だ！鷄の中に、もち米と栗が詰め込み揚げてある。
  鷄の皮の芳ばしさ、中のもち米がとてもフルーティな香りがした。もちろん、素晴らしいうまさである。
  
  
• １１．清蒸大閘蟹
  王道中の王道・蒸し上海蟹。
  今回は、「蒸したもの以外の上海蟹料理を」というリクエストでした。
  しかし、店主から「とてもよいものが入荷しているので、是非召し上がっていってください」とのことでしたので、推薦に従いました。
  
  知り合いの中国人は「上海蟹は蒸したものが一番」と口を揃えていいます。
  私は、その意見にはちょっと疑問をもっていたのですが、この日からその考えは正しいと思う」と修正しました。
  ただし「上質のものに限って」という条件がつきます。
  そして、「上海蟹は、蟹味噌を楽しむものだ」という考えさえ崩れました。蟹肉もまた甘くて美味しいのです。勉強になりました。
  
  
• １２．魚頭麪線
  魚の頭でとったスープに素麺で登場です。
  前回の宴会で、私は「前菜で残った、鯛の頭のスープで素麺にして欲しい。不味くても文句は言わないから」とリクエストしてつくってもらったのですが、 これがイマイチ乾麺くささが残って美味しくありませんでした。「不味くても文句は言わないから」とはいっても、流石に意見を伝えておいたところ、今回の再挑戦となったようです。
  文句はありません。美味しかったです。
  
  
• １３．糖水
  上海蟹を食べると体温が下がりますので、生姜茶や生姜湯を飲ませてくれるものですが、なんと生姜を効かせたサツマイモのデザートでそれを兼ねようという小粋な配慮。
  とっても美味しいです。
  
  

◆　◇　◆

なんとも豪華な宴会となりました。
今回も、店の規模から考えて、随分な手間と無理をしてくれた内容であるのがよくわかります。
本当に申し訳ないとは思いますが、うまい物を食べたいという要求は御しがたいもので、
ついつい「また今度来ます！」などと店主を悩ませることを言ってしまいます。

今回の収穫といえば、いままで食べたことのないようなうまい清蒸大閘蟹を供してくれたことです。
私の上海蟹観を根底から覆してくれたのですから。
こういうことを料理で教えてくれた牡丹園に感謝します。

◆◇◆ 中華料理・経済時菜・各種麪類《牡丹園》 ◆◇◆
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