香港灣仔に一店気になる店がありました。その名は《徳榮魚翅酒家》といいます。この店が紹介されるとき、ほぼ必ず《福臨門》の名がひきあいに出されます。何故なら、《徳榮魚翅酒家》は《福臨門》から”集団で”分離していったスタッフが興した店だからです。

マスコミなどでお店が紹介される場合、名店の名前が引き合いにだされることが多々あります。曰く「福臨門の料理人を連れてきた」、曰く「陸羽茶室で點心を担当していた」・・・等など。こういった前置きが単なるキャッチフレーズに過ぎないことは今や誰でも知っているところ。引き合いにだされた店を凌ぐ料理を提供する店が出現し、長続きしている店がどれだけあるというのだろうか。こと中国料理店に関しては怪しい限りです。

そうは言っても《徳榮魚翅酒家》は、気になるところです。まずは、場所の確認がてら予約を入れにいきました。

• 場 所：徳榮魚翅酒家
  
• 日 時：１９９８年８月１１日（火）午後８時００分〜（予約あり）
  
• 参加人数：４名
  
• 費 用：ひとり約ＨＫ＄５００
  

1.例湯	2.例湯の中身	3.鹹魚蒸肉餅	4.清蒸蘇眉

• １．例湯
  日替わりスープです。メニューにはありませんがお願いしたらでてきました。普通、例湯は安いものなのですが《徳榮》のものは日替わりスープとはいえ決して安いものではありません。味は、薄味にして複雑。身体によさそうな感じのするスープでした。
  ところで、今回大失敗したことがあります。おしゃべりに夢中になってしまってスープが冷めてしまったので、温め直してもらいました。その結果、なんと香りがどこかに飛んでいってしまったんです。けっこう高いスープなのに・・・みなさんも、スープの温め直しはやらないでおきましょう。
  
  
• ２．例湯の中身
  具は、葛の茎の部分と魚でした(野葛菜生魚湯)。魚は食べられますが、この茎の方は全く噛み切れませんでした。
  
  
• ３．鹹魚蒸肉餅
  これは、肉餅に馬友（鹹魚の種類）が乗ったもの。本当に鹹魚の切り身が肉餅に乗っているだけという感じのもの。《陸羽茶室》の鹹魚蒸肉餅には足許にも遠く及ばない。東京代官山の《海苑》や横濱中華街《樂園》の方が美味しいと思う。おそらく、馬友の質があまりいいものではないような気がする。鹹魚特有の豊かな香りがしないのだ。
  
  
• ４．清蒸蘇眉
  身は締まってプリプリしたものでしたが、私の好みから言えば、もっと生っぽい方が好き。それは、火を通しすぎているというわけではなく、私の好みの問題です。
  それから、蘇眉の唇・砂ずりは、メッチャ旨いです。
  
  

6.瑤柱八芥菜胆	7.鹽[火局]頂鴿	8.星州炒米

• ６．瑤柱八芥菜胆（八は手偏）
  季節野菜の貝柱のあんかけ。苦みが刺激的な野菜。貝柱のあんかけにしたのは私のミス（私のリクエストでした）。どうも、この野菜と貝柱は相性が悪いみたい。
  貝柱のあんかけには荳苗がよくあうのだ。
  
  
• ７．鹽[火局]頂鴿
  鴿の塩蒸し焼き。テーブルに出されたときは、あまり美味しくないと思ったのだが、冷めてから食べてみるとなかなか美味しいものに変身した。ただ、この日にオーダーした料理は、塩気の強いものが重なってしまったのは、私のミス。
  ちなみに乳鴿と頂鴿の違いを聞いたところ、大きさが違うんだそうだ。
  
  
• ８．星州炒米
  シンガポールビーフンである。カレー風味とスパイスが効いていてとても旨い。ちなみに自称『シンガポールビーフン評論家』の知人から、「なかなかいいんじゃない」との評価を得ている。
  
  
• このほかには、白飯（ごはん）を各人注文した。
  
  

☆★附録★☆

蘇眉◆時価HK$990

《戻る》RETURN

LAST MODIFIED 24/Aug/1998 MAINTAINED BY T.K.

このページに対するご意見・ご感想や情報の提供をお待ちしています。
E-MAIL