中国料理店のメニューで漢字表記を眺めていて、料理名の最後に『〜保/火』（保という字の下に火：ＪＩＳにないため特殊な表記法を使います）という文字があったら、それは土鍋煮込み料理という意味。
本来は土鍋で煮込むものなんだろうけれど、料理店では中華鍋で調理したものを土鍋に移してお客に出すことが多い。中華街では、土鍋を模した金属製鍋を使ったりする。廣東料理店のメニューによく見られる。
[保/火]は「ぼう」と読み、これらの料理は[保/火]仔「ぼうちゃい」と呼ばれることもあります。

写真：碧禄臘味[保/火]飯（野菜と腸詰め炊き込み御飯）：大珍樓特別注文のもの

多分、無限にある。私がよく見かけるのは、ナス、春雨と蟹、春雨と蝦、春雨と海鮮（魚、ホタテ、蝦）を使った煮込み料理。春雨との組み合わせが多いのは春雨が魚介の旨みを吸ってとても美味しくなるので、喜ばれるからだろうと思う。
また、土鍋を使った炊き込みご飯がある、こちらは[保/火]飯「ぼうふぁん」とか[保/火]仔飯「ぼうちゃいふぁん」と呼ばれる。炊き込みご飯の具は、鷄・腸詰・野菜・肉餅（ハンバーグ状の肉）・鹹魚(ハムユイ：塩漬けして醗酵させた魚）などがある。

廣東料理系の店で、香港あたりから調理師を招聘している店であればできないはずはないのだが、メニューに載せていない店はなぜか作ってくれないことが多い。
それでは、私の知っている限りで[保/火]仔類をメニューに載せている店を紹介します。

• [保/火]仔オンメニューレストランリスト
  
  • 頂好（香港路）： タイ風春雨と渡り蟹の土鍋煮込み（春雨の量が少ない）
    
  • 天外天（關帝廟通り）：春雨と渡り蟹の土鍋煮込み
    
  • 菜香市場通り店（市場通り）： [保/火]仔、[保/火]仔飯多数
    
  • 金陵酒家（大通り） ：野菜煮込み
    
  • 大珍樓別館（中山路）：[保/火]仔飯
    

  横濱大飯店が[保/火]仔をメニューから外してしまったのは大変に残念である。是非、復活して欲しいものだ。
  菜香市場通り店は點心と家郷菜を前面に押し出して他店との差別化を図っている。だが、お客さんの注文は點心ばかりのようだ。もっと、家郷菜がひろまってくれればいいと思う。少なくとも、點心よりはずっと美味しいと思うのに。