横濱中華街光臨指南・番外編
$福満園・宴会$
☆★☆本格的福建料理店の出現☆★☆
横濱・JR根岸線石川町駅近くの福建料理店《福満園》での宴会記録です。《福満園》は、普段はラーメン屋さんとして地元客に親しまれていますが、夜ともなると故郷の味を懐かしむ福建人で賑わいます。
《福満園》は、殆どの日本人が経験したことのない料理ばかりを提供します。その味付けは、質素にして饒舌。調理も材料の味を引き出すことに主眼が置かれ、余計な味付けが施されていません。その結果、食材そのものが持つ躍動感・生命力を料理に感じることができます。
日本における中国料理のイメージを一新する《福満園》は、中国料理が好きな方・プロフェッショナルな方にこそ試してもらいたい料理店であると確信しています。
☆★☆データ☆★☆
- 場 所:福満園
- 日 時:1998年4月28日(火)午後8時〜
- 参加人数:15名
- 予 算:食べ物だけで3,000円(ただし、常連が揃ったのでかなりのサービス価格)
- コメント:予約時に「化学調味料を使わないこと」「自慢の福建料理を出すこと」とのリクエストを添えた。
☆★☆ 料理 ☆★☆
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1.鹵味併盆 |
2A.太平燕蛋 |
2B.太平燕蛋 |
3.蛋炒海径 |
- 1.鹵味併盆(”併”の字は本当は手偏)
前菜として出された、豚の耳と豚足の煮込み。台灣料理店でもよくみかけるおつまみ。味は豚足にしてはかなりの薄味。まったく臭みなし。コリコリしていて美味しい。
この料理は、日によって鷄の脚もあったりする.
- 2A〜2B.太平燕蛋
肉燕という豚肉から作った餃子の皮を使った料理で、餃子と鶉の玉子を揚げたものが浮かぶスープ。野味溢れる肉燕餃子と揚げた玉子の意外な組み合わせに、驚嘆した。
参考:肉燕の包装紙
参考:肉燕実物
- 3.蛋炒海径(”径”は本当は、虫偏)
マテ貝と玉子の炒め物。福建料理は貝を多用する料理らしく、冬場は牡蠣。夏場はマテ貝が多く使われる。この料理は、やや塩味がきつかった。また、マテ貝の砂出しが充分に施されていなかった。店員さんに「アサリみたいにはできないのか?」と尋ねたところ、「今朝仕入れたばかりで充分にできなかった。でも、一晩おいてしまうと、鮮度が悪くて使い物にならない」とのことだ。難しいものだ。
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4.芋頭米粉 |
5.海鮮番薯丸 |
6.炒空芯菜 |
7.当歸鴨 |
- 4.芋頭米粉
里芋入り汁ビーフン。福建料理特有の調味料・酸筍の香りが際立つ汁ビーフン。このビーフンが面白くて、スパゲティのような太さである。これは、いかにも家庭料理という感じだ。この日一番気に入った料理。
参考:米粉の包装紙
- 5.海鮮番薯丸
福建海苔・貝(アサリ?)・肉を詰めこんだ芋饅頭の蒸し物。普段はこの団子は、スープに入って『福建冬節丸』という料理名でメニューに載っている。この日は、スープ類の料理が多いので蒸しものとなっての登場だ。スープに入っているときよりも味・香りともに濃厚になるようだ。
- 6.炒空芯菜
お馴染みの空芯菜の炒め物。低予算の宴会にもかかわらず、高値の空芯菜を出してくれました。お店には申しわけないような気がします。
- 7.当歸鴨
鴨肉と薬膳のスープ。見事としかいいようのない、いいだしの出たスープ。汗が出るわ出るわ。身体が暖まりました。
参考:当歸
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8.魚丸子 |
9.八果餅 |
- 8.魚丸子
魚を骨ごとすり潰してつくったあんを団子に詰め込んだもの。めっちゃ旨い。しかしこの団子もスープに浮かんでいた。今日は汁もの多すぎ。
- 9.八果餅
サクサクのパイ生地の中に、豚の脂身・レーズン・ナッツ類・その他よくわからない餡が詰め込んだもの。これも、素晴らしく美味しいものでした。
以上の9品。今回は組合わせがよくなく、汁物ばかりがでてきてしまった。この次は、もう少し工夫してもらわないといけない。
しかし、一品一品の味は想像を遥かに越える旨さで迫力がありました。
中国料理が好きなひとほど、多かれ少なかれある壁の存在に気が付いていることと思う。『どう転んでも、本場にはカナワナイ』という壁を。私たちは、この壁を越えようとするために、料理店とあれこれと交渉したり、大枚をはたいてみたり、材料を持ち込んでみたりする。しかし、いつも思い知らされるのは『壁の向こう側をみることができない』ということ。あと一息のところまでは来ているのに!
《満福園》は、到底越えられないと思っていた壁にあっさりと穴を空けてしまった。それはとても小さな穴だけれど、光が洩れてくる。覗くと、かすかながらに大陸が見える。このまま成長を続けていけば、日本の中国料理の歴史を塗り変える店になるだろう。恐るべき店の出現である。
【メモ】
中國家庭料理《福満園》
所在地 ・横濱市中區松影町1-4-5 南雲ビル101號
電話 ・045-641-5185
営業時間 ・11:00〜23:00/休憩時間15:00〜17:00
休業日 ・土曜日
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