２００７年３月。
東京南青山のベルコモンズがある交差点近くに、
Essenceという中国料理店がオープンした。いつもなら、
「おしゃれなエリアの中国料理店なんてのは、
盛り付けやプレゼンテーションばかりに注力して、
肝心の料理はお粗末で、値段ばかりふっかける、
見掛け倒しのハッタリ店に違いない。」
と思っているので、見向きもしないのである。
これは偏見ではなく、経験が私にそう言っているのだ。

しかし、このEssenceは少々事情が異なります。それは、総料理長に就任した
藪崎氏が、横浜中華街・菜香（立川店の料理長）の出身であること。
国際薬膳調理師の試験を突破していて、非常に興味深い存在だったのです。

店のオープンを知り、さっそく様子見にでかけてみました。
料理数は少ないものの、香港の料理店ででてくるような廣東家郷菜
（郷土料理）と例湯（日替わりスープ）を用意していました。
東京でこの内容を気軽に楽しめる店は他にはないかも知れません。
そして、実際に食べてみて感じたことは、「料理に嘘がない」ということでした。
そこで、仲間を集めて宴会をすることにしました。

東京にこのような素晴らしい店が登場したことを羨ましく思います。
おそらく、それほど時間もかからずにマスコミ的にも有名店になることでしょう。
そうなっても、天狗にならず、嘘のないまっすぐな料理を貫いていって欲しいものです。

今回の宴会では、薮崎廚師の国際薬膳調理師という側面をみせていただきました。
この次はどんなテーマを提示してみましょうか？いまから楽しみであります。