◆ ガッカリ屋さんの登場だっ！
ネットの掲示板なんかにも，ときどき「グルメちゃん」現われます。
大抵，タイトルが　『○○飯店ダメでした』　で，内容が　『皆さんに評判の○○飯店に行って来ました。
全然，美味しくありませんでした。ガッカリです。』　なんて具合。
キーワードは，「ダメでした」と「ガッカリ」かな。
他には　『こんなもんなんでしょうか？』　というのもよく書いてあります。

面白いことに，こういうことを書いてくるひとに共通していることがあります。
　・　『何を食べてきてどう不味かった』というのがまず書いてない。
　・　自分がどんなものが美味いと思っているのかも書いてない。
　・　ましてや，自分がオススメする店なんか死んでも書かない。

もしかすると，普段はコンビニ弁当やファストフードといったジャンクばかり食べているので，
たまにきちんとしたものを食べても「全然味がわからない」ひとなのかも知れない。
あるいは，「お客様は神様だ」的な横柄な態度でもとって，店から　『あの客は二度と来なくていいから，
下っ端に練習用に作らせた料理でも食わせとけ！』　って感じの扱いを受けたのかもしれない。

掲示板に『○○飯店ダメでした』なんて投稿する前に，
　・　「何故，他の人たちは○○飯店で美味しい思いができているのに，自分は美味しい思いができなかったのだろうか？」

と自問自答してからがいいのではないかと思います。

◆ 「お手並み拝見！」
世の中には、本当に噴飯もののグルメちゃんもいらっしゃる。
掲示板どころか私のところにメールをよこす食通さんが！

例えばこんな感じ…『絶賛の○○樓に行ってきました。今回は，初めてということもありますし，
お手並み拝見ということで，敢えてリクエストといったことはせず，１万円のコースを注文しましたがダメでした。
ガッカリです。○○樓ってこんなもんなんでしょうか？』

そこで読んでるあなた！笑っちゃいけませんぜ！本当にこんな寝ぼけたこと書いてくるひといるんだから。

なんってったって『お手並み拝見！』ですもの。

お前さん，道場破りですかい？って言ってやりたい。

こんなお間抜けさんからのメールは，テキトーにあしらっておけばいいんだけど，
お店は大変だよねー。道場破りの相手をしなきゃならない。
それも何か勘違いしているずっこけグルメちゃんを相手にだもの。苦労するよね

こんなメールをよこす前にね，やっぱり自問自答してからにして欲しいのだ。
『何故，横浜中華街光臨指南の作者は，絶賛するような美味しい思いをしているのに，私はガッカリしなきゃならないんだろう。
どこが違うんだろう？』って。

ほぼ全員のひとにあてはまることは，『予約もしてなければ，料理内容について相談していない。』ってことだろう。
このＨＰでは， 『予約すること』 と 『店と料理内容について十分に相談する』 ということを絶対的に重要視しているからね。
それをやって，ガッカリするような事態になれば，そういうことを店にさせてしまった「自分」が悪いのだよ。
少なくとも，私は『これは失敗したな』という料理がでてきたときは，
私が店に対して言うべき事を言っていなかったからかもしれないって，反省しますけど。

でもなあ･･･こういうことをわざわざメールしてくる人って，　「絶対に自分で責任をとらない」　タイプのひとだよね。
都合の悪いことは他人のせいにするんだよなあ。反省なんて絶対にしないんだろうなあ…

◆ 「お手並み拝見！」２　(13/Mar/2004追加)
お待たせ！　久しぶりに更新。
こういうＨＰをやっていると、たまになんですが、『私も食事会にご一緒させてください』というメールをいただきます。
大抵、自己紹介なんかちょっとしてあって、「私も食べ物には詳しく（or 味にはうるさく）、いろいろ食べ歩きました」とか書いてある。

私の心の叫び・・・
　・　自分で　「詳しい」　って言ってくるひとに、詳しいひとがいた試しがないなあ。
　・　味にうるさいひとなんかとご飯食べたくないなあ。薀蓄垂れられたらどうしよう！
　・　有名店、高級店にいくことで、「自分は詳しい」って勘違いしているひともいるなあ。

みなさんの身の回りにもいますよね？　詳しいはずのひとって。いろんな方面で。

以前にも，　「赤坂の廣東料理店でガチョウを注文したら，客席でさばいてもくれないし，餅も甜麪醤もでてこなかった！」
なんて書いてあった。北京ダックと勘違いしてるんだね。まったく詳しいったらありゃしない。

一番笑ったのがさあ，「是非、食事ご一緒させてください。あなたのオーダーの仕方、
お手並み拝見させていただきます」　だって！
いったい、何様のつもりなんだろうね。『お前なんかに言われたかねーよ！』って、言ってやりたい。

◆ このホコリは、何かしら！
料理屋さんってさあ，食事をするところだよね。できれば楽しい食事だと最高だ。
でもね，世の中にはそう思っていないひともいるのだ。どんなひとかって？
そりゃあなた，大変なんですから。お店に食事をしに行くのではなくって，アラを探しにいくひとがいるのです！

本当なんですよ！嫁いびりの大好きな姑みたい。

ほんと，店に行くと隣のテーブルでもやってたりするもの。
やれ「テーブルセッティングがダメ」だとか「壁にシミがついている」とか文句ばっかり言ってるんだよね。
でも，その文句は，店の人には伝えないで仲間うちで言っているだけ。あとはせいぜいネットの掲示板で
　『あの店ダメでした』　って書くのがオチだな。

なにか問題があるのなら，店のひとに伝えて問題解決のための対策を講じればいいのにねえ。
ＢｅｓｔではないかもしれないけどＢｅｔｔｅｒな状態にはなるよね。
あるいは，そのときは無理かもしれないけど，次に訪れるときは改善されているものだ。
仲間内で文句を言っているだけや，後になって掲示板に苦情の投稿を入れるようなひとって，
「ズレてるな」って感じがします。

◆ 自分で確認しないで語るひとたち（コラムニストかく語りき）　(13/Mar/2004追加)
『横濱中華街光臨指南』をたちあげた理由のひとつに、「中華街には、旨い店がある」
ということを伝えたかったというのがあります。
というのも，
　・　中華街は観光地化されてからダメになった
　・　ホンモノの中華料理ではない
　・　中華街は観光地だから、不味い
というのがなかば「常識として」まかり通っていましたから。

たとえば、「どこそこは店が大きくなってからは、味もサービスもおろそかになっている」と、
具体的に店名を挙げて言うのであればわかるのです。確かにそういう店、あります。

しかし，　「中華街は」　という地域全体を語るようなことを言い出すようなひとは、
私からみれば「実際に確認していないで、イメージで語っているだけのひとだ」と言いきることができます。
なぜなら、私は　「味も、サービスもよくて、極めて本場のものに近い料理を出す店」　を沢山知っているからです。

ところで、「観光地化されてから」という方、けっこう沢山いらっしゃいますが、具体的にいつごろからなのでしょう？
まさか、横濱開港当時を知るひとでもあるまいし、あるいは第二次大戦後、
米兵が伊勢佐木町や中華街を闊歩していた時代のことを言っているのでしょうかねえ。

下記のリンクは、自分で確認しないでものを語る典型。
エビチリ、炒飯…と日本人にも馴染み料理を出す面と、要望があれば、本場の味で料理を出す
という、日本にある中国料理店ならではの二面性を見抜けないで、コラムニストをやっています。
天下の○○新聞

◆ グルメちゃんたちへのアドバイス
店の事情や立場をよく見極めた上で，店と十分なコミュニケーションを積み重ねて良好な関係を築きあげてゆけばゆくほど，
美味しい料理っていっくらでもでてきます。もちろんサーヴィスだって，どんどん改善されてゆきます。
店と良好な関係を築きそれを維持することの重要性は，日頃から「美味いものを食べたい」と願っているひとであれば，
自然と身にしみて判っていることです。

しかし，ここにでてくるグルメちゃんって，こういうことがどれほど重要かまるで判っていないし，
単に評判の店にいって「アラをチェック」してくるだけ。
店に食事に行くのではなく，「勝負を挑みにゆく」ような態度で臨むひとさえいます。
そのような態度で店に臨んでも，いつまでたっても，美味しい料理なんか巡ってきません。

もし，「美味しい店に巡り合えない」と常々思っているのなら，料理屋さんとの付き合い方を見直されてはいかがでしょうか？