横濱中華街光臨指南・中国編
$廣州酒家$

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇　満漢全席顛末記３　◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

廣州酒家/爪

中國の廣州酒家（文昌南路店）での満漢全席レポートです。


市場見物を終え，車やバイクに幾度となく轢かれそうになりながら，はたまた，解体中の建築現場から降ってくる竹（足場の材料）に頭をカチ割られそうになりながらホテルにたどり着く。

久々の中国本土である。香港なら人が道路を横断していたら車は止まってくれるが，大陸は止まらないのである。ギリギリまで双方強気で接近して，大抵人が折れるのだ。一日中国の都会を歩けば，こんなことには慣れるのだが，久しぶりの中国なので緊張した。

ちなみに，上海でタクシーに乗っていたとき，タクシーも横断者も強気どうして，とうとう派手な音をたてて衝突してしまった。で，何が始まったのかと思えば，運転手さんと追突した相手がしばらく怒鳴りあって，終わったのである。そう，怒鳴りあって終わっちゃったのだ。

ホテルを引き払う準備をして，すこしばかりウトウトするともう１１時。ホテルをチェックアウトして，満漢全席最終ステージの向うのである。


◆金輝座午餐（2/Aug/2000 11:30pm〜)◆

＼＼＼どわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん／／／

流石にこっちも慣れたもので驚かなくなりました。
再びお店の幹部からの挨拶ののち，第三の宴・金輝座午餐は，はじまります。

第三の宴は，今回の満漢全席のうちもっとも内容が充実したものとなりました。いかにも宮廷料理を彷彿させる豪華な食材と盛りつけの連続技でした。

中国料理名には，ときどき材料名を縁起のよいものや威勢のよいものに変えたりします。例えば，鷄を鳳凰といったり，猫を虎といったり，伊勢海老や蛇を龍とか言ったりします。こういう言い換えた料理名や材料名を「美名」と呼んでいる書物がありますので，ここではそう呼びます。

今回の一連にのメニューをじっと睨んでいると，「これがその美名だな」と思わせるものがありますが，なかには文字通りの食材が使われているものもあります。
そして，中国以外では食用にしたり飼育したり捕獲することを禁じられているものさえあります。それらについては，私たちは何を食べてきたのか口外しないように口止めされました。
そういうわけで，ひとつひとつ詳しく書けませんし，第一，頭のなかで料理と料理名が既に一致していないのです。

ところで，新奇士って何だと思います？これは「サンキスト」です。もちろん，清の時代にはなかったに違いありません。新奇士[火局]蛋は，オレンジ風味のプリンです。メッチャ美味しいです。

これだけ沢山の料理を平らげ，お店のスタッフと記念撮影をして，銅鑼の音とともにスタッフの見送りで私たちは廣州酒家をあとにしました。

あらら・・・やっぱり人が集まってきちゃいました。

ホテルに戻りコンシェルジュに預けていた荷物を受け取り，一路香港へ帰途につきました。

☆★☆ 料理（料理名と写真不一致の可能性大） ☆★☆

廣州酒家31
到奉羅漢茶
廣州酒家32 廣州酒家33 廣州酒家34 廣州酒家35 廣州酒家36
緑菌白兎餃
雀肉●酥角
竹笙蟹螯
紅燒干鮑
鶴寿松齢
廣州酒家37 廣州酒家38 廣州酒家39 廣州酒家40 廣州酒家41
一掌山河
龍鳳星祥
玉柱蔵珍
[ｼ半]塘秀色
月照松江
廣州酒家42 廣州酒家43 廣州酒家44 廣州酒家45 廣州酒家46
一品天香
乾隆四寶飯
海南黄金角
椰皇[火屯]雪蛤
美果映雙輝

◆　あとがき　◆

楽しいばかりの満漢全席でした。しかし，考えさせられることがないわけではありません。やはり正直に書き留めておきます。

１．AJINOMOTO信仰
日本の食品メーカー製ではなく，品質の劣る恐らくは中国産品の味精が相当量使用されました。特に點心類には，溶解していない状態で「ガリガリ」と歯応えを感じました。どんなに味精を肯定的に捉えているひとでも「いくらなんでも使い過ぎ」と思うに違いない程でした。

事実かどうか確認したわけではありませんが，「味精は使えば使うほどいい」という時代があったと聞きます（日本も同じような時代を経ています）。この時代の考えを今に引きずっているのではないかと思いました。即ち，味精の過度の使用は「サービス」のつもりだったのではないかと推測することもできます。

２.料理の技術あるいは洗練
廣州酒家は，廣東省でも屈指のレストランと言われています。そのレストランの本店の総料理長が仕切る大宴会の料理。さぞかし美味かったんだろう…と思われますよね？…残念ながら違います。

基本となるスープ。これは大変に美味いです。しかし，ちょっとしたところで破綻がみえてくる。
例えば、食材を食べやすい大きさに切るとか，臭みを消し去るとか…そんなところでミスを連続して犯している。

これは，満漢全席のレシピに忠実過ぎて工夫や改善が行われていない可能性を考えることができます。
しかし，私たちは「優れた厨師は香港をはじめとする外国にいる。残念ながら，中国には残っていないのかも知れない」可能性，「厳しい競争に晒されていない為に，改善・洗練を怠っている」可能性，「歴史と伝統を否定し破壊の限りをし尽くした嵐の十年の影響」の可能性が極めて高いと感じました。

これらを実際に肌で強く感じる経験ができたことは，ある意味で極めて貴重な体験でした。

それから，特筆すべきは，服務員のサービスのよさでした。だれもが，辟易する中国のサービスの皆無ぶりですが，今回ばかりは考えを改めなければならないと思いました。

さて，「もういちど満漢全席やらないか？」と聞かれたら…多分断ります。流石に一生に一度で十分。でも，本当に行ってよかったです。

◆　◆　◆

いかがでしたでしょうか？一生に一度のあるかないかの満漢全席顛末記。流石の私も食べ疲れました。みなさんも読み疲れたことでしょう。お付き合いくださってありがとうございました。

◇廣州酒家◇
地址：廣州市文昌南路二號
電話：81380985/81380388/81380803
傳真：81380611
電子郵箱：wcn@gz-restaurant.com.cn

◇満漢全席◇
日時：2000年8月1日〜2日
人数：13名
費用：約50万円/一卓
予約：あり


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LAST MODIFIED 19/Aug/2000 MAINTAINED BY T.K.

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