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東京・幡ヶ谷に熱狂的なファンをもつ料理店がある。この店の常連たちは日々奇怪な料理をだしてもらっているらしい。彼らはこの店の料理に対し，限りない尊敬と愛情を込めて【変態中華】と呼んでいる。
今回，やっとこの店での宴会に参加することができた。コーディネートは，この店の常連客なので料理の量・内容・価格全ての点で通常では有り得ないものとなった。
もし，あなたが同じような体験をしたければ通い詰めることだ。お店との信頼関係を築いてこそこういう思いができるというものだ。
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１．干し牛肉
牛肉の干したもの。よく噛んでいると味が滲んでくる。形状からしてみみずかと思った。
２．燒鷄とかぶの酢漬け
この店では，焼き物は一斗缶でつくる。この店は駅ビルのなかなので，アウトドア志向が強い訳ではない。鷄の皮の部分はあまり甘みを付けないで仕上げてある。肉にも味があってよい。鷄が鷄らしい味がするのって，いまどき結構贅沢なハナシなのだ。
かぶも変な砂糖の甘さを付けず，歯ごたえもあっていい感じだ。
３．醉蟹
上海蟹を２週間ほど酒に漬けたもの。いい具合にとろとろになっている。生臭さもなく酒の香りも強すぎない。これ以上漬け込むと酒の弱い私にはキツくなってくるようだ。
短期熟成がいいとか長期がいいというのは，完全に好みの問題だ。どちらにも優劣はない。
４．百合根と蝦の炒め
渋い料理がでてきた。味付けは，塩味ベース。殆ど味がついていない。それは，味がないという意味ではなく，余計な調味料を使っていないという意味。料理の旨み甘みは調味料で添加するのではなく，材料から引き出すということを実践しているようだ。
百合根の代りに中国クワイを使っても面白いと思う。百合根のホクホクという食感もいいが，中国クワイのシャキシャキ感も好きなんである。
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５．筍と椎茸の煮込み
なんと生の筍である，脳髄を直撃する食感。業務用の缶詰の水煮ではこうはいかない。椎茸の香りもよい。味付けは，薄く醤油味が付いている。もちろん，砂糖による甘みを感じない。普通，日本でこの手の中国料理を出すとコテコテに甘い味付けになっていることが多いのだが，ここは全然そんなことにならないのだ。
６．巨大肉団子
ソフトボール位の巨大な肉団子である。荳苗添え。初めて甘みらしい甘みを付けた料理である。しかし，控えめでよい。そこはかとなく発酵臭がするので香り漬けに腐乳を使っている使っているのかと尋ねたら，あっさりと五香粉だといわれた。それだけのハズないんだけどねえ。
７．巨大肉団子
ソフトボールを割ったところ。ひとつで８人前の量。
８．衣笠茸と髪菜煮込み
高級食材がとびだしてきた。歯ごたえのよいキヌガサダケにトロミが嬉しい髪菜の煮込み。いいねえ。こういうのは。
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９〜１０．雉のスープ
雉・魚翅・髪菜・棗・朝鮮人参・香菜の入った蒸しスープ。あっているかどうか判らないけど，中国名にすると清燉魚翅地鷄になるだろうか？スープの器を蒸したりあるいは湯煎したりしてつくるスープは，味がの深さが一味どころか百味くらい違うのである。その代り作るのに時間がかかる。
雉からは脂がたっぷりとでていて，壷のスープの上層で分厚い層を形成している。これを下層のスープとよく攪拌して呑んでみるとたまらない美味さとなった。身体があたたまる見事な一品。
１０〜１１．店のウインドウ
店のウインドウを撮ってみた。ここのマスターは漢方薬フリークなんである。
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１３．豚の角煮
トンポーローである。今回唯一，テンションの低い料理。肉に旨みがなく繊維っぽさがやたらと目立つ。花巻も冷凍もので生地が潰れてしまっている。不味い。
１４．家常荳腐
揚げ荳腐・長ネギ・椎茸・アスパラに辛味を漬けて煮込んだもの。他店とくらべると薄味である。ご飯が欲しくなる一品。
１５．帆立の炒め物
長丁場の宴会で口が何を食べても飽きてきたころに，なんと檸檬風味のさっぱりとした帆立とブロッコリの炒めがでてきた。これ一品で，もういちど初めから宴会をし直してもいいという爽快な気分にさせてくれた。マスターのセンスに脱帽である。
１６．鹹魚風味の煎り卵
鹹魚・シメジ・えのき・長ネギを具にした煎り卵。鹹魚を煎り卵にしてしまうというセンスも凄い。これがいけるのだ。ご飯おかわり！
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１３．汁そば
翡翠麪・椎茸・筍の汁そば。日本人なら誰でも知っている懐かしい味。
１４．汁なしそば
ごま油とザーサイの塩味が効いた汁なしそば。あんまり好きじゃないな。空腹のときならもっと印象がことなると思う。
１５．さつまいもの飴だき
デザートは，さつまいもの飴だき。大學芋の原形。黒いのは胡麻ではなくて大量の蟻である。ちょっと気持ち悪いかもしれないが，食べてみれば美味いので問題なし。全然，無理なく食べられる。もっと蟻酸が効いていて，奇怪な味になっているのかと思っていました。
