YOHAMA CHINATOWN GUIDE * "TENRIU SAIKAN" 990320 *

横濱中華街光臨指南
天龍菜館

☆★☆ 再戦江湖 ☆★☆

一部のマニアの間では，揺るぎようのない支持を勝ち得てしまった感のある
廣東家郷料理《天龍菜館》での宴会である。もはや石川町の福建料理店《福満園》
と横濱中華街《天龍菜館》を知らずして，横浜の中國料理を語ることはできない！
と言うのは，ちょっと誉め過ぎ。しかし，そのくらい注目していい店である。

今回は，１３名での宴会。事実上の貸し切りである。お店のキャパのほぼ限界。
メチャクチャ狭い。この店で宴会をするひとは，手荷物を持ち込まないようにしよう。

☆★☆ データ ☆★☆

場所：天龍菜館
日時：１９９９年３月２０日（土）午後５時１５分～
参加人数：１３名
予算：実費（ひとり２，６００円）
リクエスト：化学調味料を使わないこと

☆★☆ 料理 ☆★☆


1.例湯	2.紅燒海参	3.豚レバ炒め

１．例湯
例湯（日替わりスープ）とは言っても，これは，私のリクエストによるスープである。
香港灣仔の《醉湖海鮮酒家》の例湯を思い出しながら，使う材料だけを伝えた。
すなわち，大根・人参・棗・ジャガイモ・松の実・椎茸・鷄の足を使うように指示した。
この店の凄いのは，私が食べたかっているものを察してくれるところ。
「こんなものが食べたい」とか「この材料でスープを作ってください」というリクエストを添えるだけで，
こちらが求めるものを提供してくれる。
ところで，どういうわけだか私がこのスープを注文したことが《天龍菜館》の客のひとりの
《聘珍樓》のコックさんに伝わったんだそうだ。
《聘珍樓》のコックさんは，「それなら，貝柱と豚ヒザ肉をいれてあげなきゃ」との意見がでたんだそうだ。

ということで，《聘珍樓》のコックさんのアドヴァイス付スープができあがった。
高級店の厳選された材料を使ったスープもいいけれど，日常的な材料を使ったスープもよいものだ。
味ですか？この写真を見て，マズそうに見えるだろうか？
この日はとても寒く，身体が暖まるスープに涙が出そうだった。

なお，普段の天龍菜館では「今日のスープ」を注文すると，チキンスープに豚肉と
季節野菜を浮かべたスープをだす。これも十二分に旨いものだが，手の込んだもの
を試したければ，必ず予約すること。
前回の宴会では，鳳爪花生湯を予約注文した。
これもまた旨かった。
２．紅燒海参
ナマコ・鷄・椎茸をブラウンソースで煮込んだもの。
これは，店の親爺さんからの推薦があったので予約した一品。
ナマコの戻し方がやや硬いようだが，私はこのくらいの歯ごたえがあるものが好きだ。
旨いぞ！
３．豚レバ炒め
豚レバとニラとモヤシの炒め。
いつもは，アタマとヒゲを取っていないのだけれど，今回はきちんととってあった。
レバは，あんまり美味しくない。まあ，いいか。なんでもかんでも旨いわけじゃないから。


4.牛[月南][保/火]	5.鹹魚蒸肉片	6.酸菜[火文]魚	7.清炒時菜

４．牛[月南][保/火]
牛バラ肉，中国湯葉・ネギの煮込み。写真では，テーブルの上に置いてあるが，
卓上コンロでグツグツやりながら食べる。
この店では，鷄・豚・羊など肉の煮込料理が充実。このうち，羊肉の煮込みが一番好きだ。
牛バラは，その次。完全に好みの問題ですけど。羊肉が嫌いでないのなら，羊肉から試すと
いいだろう。旨すぎて，思わず絶叫する姿が手に取るように判るぜ！
５．鹹魚蒸肉片
御存知，鹹魚を使った豚肉の蒸し料理。この日は，曹白という種類が使われた。
馬友を使った時の方が香りが豊かである。材料が切れたんだろう。
しかし，料理はなかなかの旨さだ。ご飯によくあう。いや，あい過ぎ。
６．酸菜[火文]魚
高菜の塩漬けと魚の煮込み。この日は，鱸が使われた。店の親爺さんが言うには
「高菜の漬け物に化学調味料が使われているので，あんたには向かないよ」とのことだが，
それを承知で注文した。いやいや，十分に旨いものがでてきた。身よりも皮が旨い。
煮込む前に魚を揚げてあるように思える。

別の宴会では，番茄[火文]魚（トマトと魚の煮込み）を予約注文した。
酸菜[火文]魚よりもこっちの方が私の好みである（番の字は，草冠がつきます）。
さらに別の宴会では，炸荳腐[火文]魚（厚揚げ荳腐と魚の煮込み）も
予約注文した。いまのところ，これが一番美味い。
７．清炒時菜
野菜炒め。この日は，ほうれん草。


8.白灼時菜	9.家郷湯河粉	10.鎮江炸肉排

８．白灼時菜
茹で野菜，オイスターソースかけ。この日は，レタス。香港の粥屋や飯屋などでよく見られる料理だ。
９．家郷湯河粉
河粉という米で作ったきし麪のような麪を使った汁そば。私がなんとなく
食べてみたかったので予約しておいたもの。予想していたものよりも遥かに
幅広の麪が使わている。この麪をぶちぶちに切ったものが汁に入ってきた。
この料理がでてきた時点で，おなかいっぱいで，美味しく感じられなかった。
麪がやや伸びていたというのも原因する。
これに似た料理で，ビーフンを汁で煮込んだものをだしてもらったことがある。
こちらの方が美味しいようだ。
１０．鎮江炸肉排
骨付き豚肉の揚げもの黒酢風味。絶品中の絶品。何度食べても旨い。
写真を見るだけで，ヨダレがでてくる。この一品で《天龍菜館》の虜となるだろう。

◇◆◇

今回は，少し料理を注文し過ぎました。野菜料理は，注文しなくてもよかったかもしれない。
これだけの料理に紹興酒３本ほどを飲んで，ひとり２，６００円。安すぎるとは思わないか？
私は，計算間違いだと思っている。「親爺さん，ちょっと安過ぎるんじゃない？」と尋ねると，
親爺さん曰く「いいんだよ。あんたたち家族なんだから」とのお言葉。
泣けて来るぜ。何度も通い詰めた甲斐があるというものだ。

もし，あなたが私と同じくらい，この店でいい思いがしたいのなら，何度も通い詰めることだ。
５回や１０回くらい行っただけで，いい思いができる程世の中甘くはないからね。
これは，天龍菜館に限ったことじゃないけれど。

◇◆◇ 廣東家郷菜・天龍菜館 ◇◆◇
お店の場所は，御自分の足でお捜しください。その価値は十分すぎる程あると確信します。

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LAST MODIFIED 21/Mar/1999 MAINTAINED BY T.K.

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