YOHAMA CHINATOWN GUIDE * TAOHUA 030615 *

横濱中華街光臨指南
江浙菜・桃花

☆★☆ メチャウマ野菜大會 ☆★☆

５月下旬から６月中旬。
晩春から初夏に移り変わるこの絶妙で曖昧な季節は、野菜が俄然と旨くなる。
昨年のこの時季に、江浙菜の桃花で開催した宴会で登場したソラマメのスープがあまりにも素晴らしく、深い感銘を覚えた。
このとき、野菜はメイン料理になり得ると確信した。

一年を経て、野菜中心の宴会を設定した。
まさしく、「満を持して」という表現が相応しい内容だった。

☆★☆ データ ☆★☆

場所：桃花
日時：２００３年６月１５日（日）午後６時００分～
参加人数：１５名
予　　約：あり
リクエスト：
- 旬の野菜を沢山使ってください。
- 化学調味料をなるべく使わないようにしてください。
- ※一年前の宴会でいろいろと相談したことを桃花のスタッフのみなさんはよく覚えていてくださったようです。
  このため、私が「どんな料理が嫌いで、どんな料理を好むのか」を説明する必要はありませんでした。

☆★☆ 料理 ☆★☆


1.前菜	2.前菜	3.前菜	4.前菜	5.前菜

前菜５品
これが、なんと前菜である。左から、
１．枝荳と筍茹でもの
２．キノコと浅蜊の炒め
３．ジャコと落花生をカリカリに焼いたもの
４．醉っぱらい鷄
５．海苔と蚕豆
桃花は、前菜を大きな皿に盛ることはせずに、一品づつ小皿で提供するという演出をしている。
一品一品が、客を楽しませ、話題を提供するのに事欠かない力をもつ。
この前菜だけで、今日の宴会が特別なものになるだろうことが予感できる。
ジャコは、白飯に混ぜたところ、香ばしいフリカケとなった。また、醉っ払い鷄の程好い酒の漬け具合が大変によい。


6.酸菜荳板羹	7.龍井河蝦	8.[白交]白瑶柱松	9.鹹蛋炒青蟹

６．酸菜荳板羹
高菜のような漬け野菜・タケノコ（台灣産）・ソラマメのとろみスープ。前年夏の桃花で開いた宴会で登場した絶品のスープに再度登場願った。もともと、今回の宴会は、このスープを食べたいから実施したようなものなのだ。
期待を裏切らぬ優しい味だ。見た目も美しく、涼感を誘い、香り高い。
７．龍井河蝦
上海産河蝦を龍井茶葉で炒めたもの。上海料理の名菜のひとつ。茶葉によって一層さっぱりとした味付けになる。蝦も甘味があってよい。
ちなみに、エビと化学調味料の組み合わせは最悪なので、エビ料理を楽しむときは「化学調味料抜きで」とお願いしましょう。
８．[白交]白瑶柱松
マコモの醤油炒め煮に干貝柱の揚げたものをふりかけたもの。
マコモの柔らかいところだけを使うという、超贅沢な一品。さすがに、中華街屈指の高級店・華正樓の流れをくむ店の料理だと思う。
柔らかくて、ほのかに甘くて、貝柱のが香ばしさとあいまって、大変に美味しいです。
もちろん、ご飯にのせて食べた。
９．鹹蛋炒青蟹
ワタリガニをアヒルの塩漬け玉子の黄卵と共に揚げたもの。店からＦａｘされたメニューには、「炒」とあったが「爆」の方が近いと思う。
かなり上物のワタリガニを使ってくれたのだろうか？丸々と肥って、卵を抱えたメスが使用されていた。
アヒルの黄卵の塩気とワタリガニの卵が合わさると、快樂的ともいえるほどに旨いものとなる。あまりにも、そう、あまりにも美味しくて、甲羅までバリバリと食べてしまうひとが続出でした。
超絶の逸品。是非、予約時にリクエストしてください。旨すぎます。


10.尖椒炒素鷄	11.荳苗炒雙冬	12.浦瓜蝦米	13.上海炒麪

１０．尖椒炒素鷄
干し荳腐の細切りをパプリカと青唐辛子ともに炒めたもの。
タイ料理で使われるプリッキ－ヌ級のハイパワーな辛さが舌を襲う。
目が醒める、咳がでる、涙がでる、汗がでる、そして涼しくなるという夏らしい料理。
強力なメリハリで、円卓に笑いと話題を提供する。こういう料理の展開、いたずら心もあって、いいものだ。
こんな洒落っ気もあるとは、桃花さん、やりますね！って感じです。
１１．荳苗炒雙冬
台灣産タケノコと椎茸の醤油煮に台灣産の荳苗の炒めを添えたもの。
尖椒炒素鷄で、ヒリヒリした舌を沈静化させる料理だった。あんなに辛いもののあとでは味が分からないのでは？
と思ったが、そんなことは全くなかった。それどころか、タケノコ自体が歯応えがよく、大変な甘味を持っていたので、味の対比が面白かった。
椎茸は肉厚で香りもよく、荳苗それ自体も味が濃厚で旨かった。
ちなみに、タケノコは時期はずれかと思って、問い合わせたところ、台灣の高地のものとのことでした。
１２．浦瓜蝦米
夕顔（干瓢の原料）と蝦米の煮込み。
冬瓜とは異なるヌルヌルっとした奇妙な食感が楽しく、また、蝦米の旨みと香りが合わさって、優しさを感じる料理。美味しいねえ。
１３．上海炒麪
両面焼きのヤキソバに野菜＋イカのあんをかけたもの。
通常、最後の炭水化物は味付けの濃いもので満足感をだすものだが、この日はそうではなかった。超薄味。
やられた！こういう演出もあるのだ！
１４．甜品
画像なし。メニューから好きなものを一品。胡麻プリン、美味しいよ！

☆★☆ メモ ☆★☆

野菜中心で展開された特別コース。
『もしかすると、盛りあがらないかもしれない』と心配したものだ。
結果は、無意味な心配であった。桃花の厨師たちは、天才か血の滲む研鑽を積んできたひとたちなのだろう。
さらに、きっと他のお客には出さないであろう激辛料理を織り交ぜて遊んでみるセンスも抜群である。
「このお客なら、笑って済ませてくれる」もし、そう思ってくれたのなら、名誉なことだ。
「もっと遊んでくれてもかまいません」と切り返してやりたい。
また、わけのわからないリクエストにも笑顔で応じる桃花のスタッフにも感謝するばかりだ。

また行くぞ！覚えておけ！

《桃花》
横濱市中區山下町１９２-９
TEL:045-224-7777

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