横濱中華街光臨指南
$樂園・時菜$
☆★☆ 旬の野菜を楽しむ ☆★☆
横濱中華街で最も香港の下町的雰囲気を残す店《樂園》。店の格から言えば中級店なので、上湯のよさを楽しむ高価な料理よりも、日常的な食卓を飾るお惣菜料理が魅力的な店です。
これらの料理は、メニューに載っていないため予約しなければなりません。また、家庭料理は、”如何にも中国料理”という感じがしないので、『期待した程ではない』と感じる方も多いのではないかと思います。
しかし、私は高価な材料を使った料理やスブタ・エビチリ・チンジャオロースーといったあまりにもポピュラーな料理にはあまり興味がなく、郷土色豊かな料理や家庭的な料理に強く惹かれています。
さて、今回は【横濱中華街あん饅圖鑑】主宰者のあずき氏の仕切りの宴会です。あずき氏は私以上に「美味しいものを食べるための努力」を惜しまないひとです。「香港で食べたもので美味しかったものを再現」させた前回の宴会と今回の「季節の野菜を沢山食べたい」という視点からの宴会。同じ店でありながら、こんなにも違うものがでてきました。
☆★☆ データ ☆★☆
- 場 所：樂園
- 日 時：１９９８年７月０４日（土）午後１時３０分〜
- 参加人数：７名
- 予 算：ひとり４，０００円（税別）
- リクエスト：「化学調味料を少な目に」「油っぽいものや、砂糖は控えてさっぱり目に」「高級食材を使わず、一般的に中国の家庭で普通に出るもの」「夏野菜を豊富につかって欲しい」
☆★☆ 料理 ☆★☆
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| 1.南瓜牛肉 |
2.里芋と椎茸の煮込み |
3.冬菰荳腐 |
4.醸茄子 |
- １．南瓜牛肉（南瓜と牛肉の炒めカレー風味）
いきなり本物の家庭料理。なんだか嬉しくなってしまった。中華街にまで来てこういった料理を出されたら疑問に思うひともいることだろう。実はお店のひとたちは、「家庭料理は家庭で食べるものであって、お金を払って来てくださるお客様に出すものではない」と考えています。そこを敢えてお願いしているのである。
こういった料理なら、毎日でも飽きずに食べられる。そういった日常的な料理が食べたいのだ。
- ２．中国名不明（里芋と椎茸の炒め）
里芋やきのこ類その他を細切りにして炒めたもの。炒めと書いたが、煮込みに近い。これも楽しい一品。野菜が沢山摂取できるのがうれしい。
- ３．冬菰荳腐（椎茸と荳腐の煮込み）
廣東風家庭料理で多く使われる”煮込み”料理。揚げ荳腐・きのこ類・野菜類豊富。健康にもよさそう。華はないけれど、こういう料理が食べたいのだ。香港の料理店では当たり前のようにして出てくる料理（かなりの高級店でも家庭料理はメニューに載っている）を日本の中国料理店ではなかなか食べることができない。
- ４．醸茄子（肉詰め揚げ茄子のあんかけ）
ワーオ！夏は茄子に尽きるぜ！なんだか、懐かしい一品。
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| 5.炒通菜 |
6.胡椒白灼生菜 |
7.椒鹽蝦 |
8.[火文]水旦 |
- ５．炒通菜（空心菜炒め）
これは、普通の炒めもの。いつも通りの安定した旨さ。
- ６．胡椒白灼生菜（茹でレタス胡椒風味）
いやーっ！ひどい画像で申し訳ない。もう暫くしたら、新しいデジカメ買おうと思っているのだ。
レタスは湯引きして、オイスターソースで味付け。胡椒が隠し味。いままで気づきませんでした。レタスは湯引きにすれば沢山食べられるので、気分よし。あんまり栄養ないらしいけどね。
ちなみに、化学調味料がふりかけてあったので、苦情を申しいれておきました。
- ７．椒鹽蝦（中えびの塩胡椒炒め）
蝦を塩胡椒で味付けして、カリカリになるように炒めたもの。椒鹽という味付けで調理したものは、塩気が強すぎる傾向にあると思っているのだけれど、ここのは大丈夫。蝦の頭ごとバリバリ食べてしまった。
- ８．[火文]水旦（茶碗蒸）
茶碗蒸し！卵の中に蝦が入っている。残念ながら、化学調味料大量使用のため、酷い味になっていた。これは、完全に約束違反である。普通だったら、作り直しをしてもらうところだ。あんなもの使わなければ、絶対に美味しい料理なハズなのに。勿体無いことをするなあ！苦情を申し入れたのは、言うまでもない。
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| 9.[豆支]油王炒麪 |
10.サクランボ |
11.茘枝 |
- ９．[豆支]油王炒麪（やきそば[豆支]油風味）
お店からは「香港風のやきそば」とのことだが、見た目ではただのやきそばだ。食べると確かに香港で食べたやきそばの味だ。なんでかなー？と思っていたが、後に[豆支]油という調味料が使われていることが判って納得した。
- １０．サクランボ
これは、仕切りのあずき氏の持ち込み。
- １１．茘枝
これもまた、あずき氏の持ち込み。
ということで、非常に面白いものがでてきました。これだから、《樂園》はやめられない。化学調味料の件に関して苦情を申し入れたところ、わざわざ原因を調べに行ってくれました。「化学調味料入りの料理を作ったコックは、他の料理を作ったコックとは別のコックで、指示が伝わっていなかった」とのことである。「この次から気を付けるので、これに懲りずに利用してください」とのことだった。
ときどき店の料理の味やサーヴィスについて文句を言う人がいる。その文句はなぜか店のひとに言うのではなく、知人にいうのだ。その知人に文句を言ったところで、事態が改善されるとでもいうのだろうか？私は思う。文句があるのなら、お店のひとに直接言えばいい。そうしなければ何も改善されないではないか。店を良くするのも悪くするのも客なのだ。
《樂園》は、あいかわらず、和みの店である。本当に親戚の家に行った気になってしまう空間だ。料理の味もとても一流店にはかなわないし、サービスだって”親戚の家級”。とてもではないけれど、『一生に一度あるかないかの横濱中華街観光』で来たひとには、お勧めできない店だ。しかし、横濱中華街リピーターなら、必ず気に入ってくれることだろう。
☆★☆ メモ ☆★☆
《樂園》
（横濱中華街大通り・善隣門の近く）
横濱市中區山下町１５４
TEL:045-641-9308
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