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天龍菜館オープン以来、この店で忘年會・新年會を開催することは、私の恒例行事である。
仲間がこの店に集い、飲んで、食べて、しゃべって、笑う。行く年・来る年それぞれに思う。
これも、天龍菜館という異空間の存在があればこそのことだ。
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さて、天龍菜館で宴会をすること。それは、客の側も大変な準備が必要だ。
客は、天龍菜館の爺さんが料理作りに専念できるように、最大級の配慮をしなければならない。
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たとえば、開店準備を手伝う、湯を沸かし茶を淹れる、汚れた食器を洗うなどというのは基本でしかない。
前掛け、ゴム手袋、食器用のふきんの用意は幹事の仕事。
足りないものは客が自腹で買ってくるのはあたりまえ。
場合によっては、自宅からカセットコンロを持ってくるということもする。
おまけに、老板は高齢なので、料理を運んでくると冷めていることがある。
普通の店なら、「作りなおし！」というところだが、天龍菜館では「客がコンロで加熱する」のだ。
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客はこれらの不便を楽しむ余裕があることが要求される。
天龍菜館は、＜一般常識＞が通じない異空間であることを、客の側が理解している必要があるのだ。
これらが楽しめない客は、天龍菜館に行ってもそのよさなど到底理解できない。
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不便を楽しめ！
